だいぶ前の話になりますが、保育園の先生をしている友人に、工作にでも使ってもらおうと、山で拾ったどんぐりをあげたことがあります。友人はどんぐり拾いの日に蒔こうかな、って言ってました。潮干狩りの日のアサリや、砂の中から特別な石を探す「宝さがし」のように、蒔いたドングリに園児たちが喜んで拾ってくれてたらいいですが。友人にとっては、ハタ迷惑な贈り物だったかも。(※実際に蒔いたかは聞いてません)
さて、我が家は朝はNHKのニュースを見ているのですが、連日トップニュースがクマ。最初はクマがトップニュースって、日本ってどれだけ平和な国なんだ、と思っていたのですが、日増しに深刻さを感じるようになりました。居住地域の区分けがうまくできることを願うばかりです。
母「最近、熊のニュースが多いね。人里に出てきて大変みたい」
月「えー、そうなん。俺、6歳の時に知床で熊の親子見たの、めっちゃ嬉しくて今でも覚えてんのにな」
母「そうだったよね。でも今、山にドングリがなくて熊も困ってるんだって」
月「ふーん、ドングリか。1回ドングリ食べてみたことあるよねー」
母「覚えてるん? そうそう!ドングリめっちゃ苦かったわー」

◇作成した教材
2025年、日本では熊による人身被害が過去最多(死者7人)となりました。これは、気候変動によるドングリの凶作や、森と人里の緩衝帯の消失が原因で、熊が食べ物を求めて人里に下りてきているためです。かつて縄文人も利用したドングリをめぐり、森と熊、人間との関係性を見直す必要が迫られています。
1. 基本質問
1-1. 2025年の熊被害(死者7人、2006年統計開始以来最多)の原因、縄文時代のドングリ食、行政の対策について問う。
2. 言葉の学び
2-1. 漢字:蓄積、気候、臆病、遺跡、貯蔵、栄養
2-2. 語彙:人身被害、人里、アクを抜く、生活圏、緩衝帯、「臆病」と「慎重」の違い。
2-3. 空欄補充:
3. 地理・データ読解
3-1. 日本の熊(ツキノワグマ、ヒグマ)の分布図作成と、2025年の被害発生県(北海道、岩手、秋田、宮城、長野)の確認。
3-2. 2020年から2024年にかけての人身被害・目撃件数のデータ推移を読み解き、2025年の深刻さを考察する。
4. テーマ探求① ―森とは何か―
4-1. 昔話や神話における森の多様な役割(生活の場、神秘的な空間)について考える。
4-2. ドングリの科学:ブナ科の実で、栄養(デンプン)が豊富。化学(細胞呼吸)と、渋み(タンニン)のアク抜き原理。
4-3. ドングリの観察活動:ドングリを採集し、種類ごとの形、大きさ、殻斗(帽子)の違いを観察・記録する。
5. テーマ探求② ―人間とドングリの歴史―
5-1. 縄文時代(三内丸山遺跡など)の主食としてのドングリの加工(貯蔵、アク抜き、粉砕、調理)手順。
5-2. 世界のドングリ食文化(北米先住民、欧州、朝鮮半島)と、日本の救荒食としての歴史。
6. テーマ探求③ ―熊とドングリ―
6-1. 熊の一年と、冬眠前に脂肪を蓄えるための秋のドングリの重要性、摂取カロリー計算。
6-2. ドングリの豊凶の要因(天候、気候変動)と、凶作が熊の行動(人里への接近)に与える影響。
6-3. 実験:脂肪(ショートニング)の断熱効果を確かめ、冬眠における役割を考察する。
7. テーマ探求④ ―森の変化―
7-1. 気候変動(温暖化)が森の植生、結実時期、異常気象に与える影響。
7-2. 人間の活動(森林伐採、里山放置、緩衝地帯減少)が森の環境を変え、動物との境界を曖昧にしている。
8. テーマ探求⑤ ―共に生きる道―
8-1. 熊との遭遇予防策(情報、音、ゴミ管理)、森の再生(植樹、里山再生、緩衝帯)。
8-2. ディベート:熊の被害に対し、「駆除優先」「保護優先」「バランス」の3つの立場で議論する。
9. 文化・芸術① ―俳句とドングリ―
9-1. ドングリを詠んだ俳句(高浜虚子、正岡子規)を鑑賞し、季語や情景を考える。
9-2. 俳句(五・七・五)創作:秋の季語を学び、ドングリをテーマに俳句を作る。
10. 文化・芸術② ―物語と森―
10-1. ヘンリー・D・ソロー『森の生活』の一節(人生を意図的に生きる)を読み、その思想を考察する。
10-2. ソローが描写した森とウォールデン池の情景を想像して絵で表現する。
11. 文化・芸術③ ―古典文学と自然―
11-1. 松尾芭蕉『笈の小文』の自然観(造化にしたがひて)と、木の実を詠んだ句を鑑賞する。
11-2. 短歌(五・七・五・七・七)創作:教材で学んだテーマ(森、熊、共存など)で短歌を作る。
12. 表現活動
12-1. 深く考える:熊被害の理由、ドングリの重要性、市長としての共存政策、自然と人間の関係性について考察する。
12-2. 創作:指定された言葉(森、熊、秋、共存など)を使って詩を書く。
12-3. 手紙:山里の小学生の立場で、熊問題の解決策を市長に手紙で提案する。
13. 英語
13-1. 単語:bear, acorn, forest, coexist, climate
13-2. 読解:熊が人里に下りてくる理由と共存の必要性についての英文を読む。
13-3. 英作文:熊との共存について、選択肢(important, difficult, necessaryなど)を使い英語で意見を表明する。
14. まとめ
14-1. 学びの記録:教材全体を振り返り、印象に残ったこと、難しかったこと、新しく学んだこと、考えの変化をまとめる。
15. 発展学習
15-1. 関連テーマ:生物多様性、気候変動、縄文時代の食文化、世界の野生動物との共存事例。
15-2. おすすめの本:『どんぐりノート』、『クマともりとひと』、『森の生活』など。
15-3. 家庭でできること:ドングリ観察、地域の自然情報調査、森を訪れる。
15-4. 探究テーマ例:ドングリの種類比較、ドングリを食べる動物調査、地域の森林面積の変化、世界の共存事例研究。