月「母は、1円を10,000枚もらうのと、10,000円を1枚もらうのと、どっちがいい?」
母「そりゃ10,000円を1枚でしょ。数えやすいし、お財布にも入るし」
月「俺は1円のほうがいいわー。」
母「なんでー?」
月「だって1円は作るのに3円かかるから、10,000枚あったら本当は30,000円ってことじゃん。1万円札は1枚20円くらいだから、1円のほうがお得だって」
母「じゃあ、1円7枚あげるから1万円札1枚ちょうだい~」
月「今のなしで、、、」

◇作成した教材
アメリカ合衆国が製造コストの高騰を理由に、2025年11月12日をもって1セント硬貨(ペニー)の鋳造を終了したニュースを伝える。この硬貨は200年以上の歴史を持ち、製造費用が額面価値を大きく上回る状態が続いていた。
1.言葉の学び
1-1. 漢字:鋳造、肖像、沿岸、腐食、廃止
1-2. 語彙:転換点、法定通貨、額面
1-3. 空欄補充
2. 地図で見る資源と造幣局
2-1. なぜ硬貨の素材は地球の裏側から来るのか:硬貨の金属素材が世界の鉱山(チリ、ペルーなど)とつながっている。
2-2. 造幣局と資源の産地:造幣局のある都市(フィラデルフィア、デンバー)と銅・亜鉛の主要産出国を地図で確認する。
2-3. 資源産出国を調べる:銅、亜鉛の主な産出国を地図帳で調べてマークする。
3. 金属の化学:銅と亜鉛の変身とリサイクル
3-1. なぜ硬貨の素材は変わるのか:ペニーの素材が純銅から亜鉛芯の銅メッキへと変わった背景を理解する。
3-2. 合金と腐食のメカニズム:銅(Cu)と亜鉛(Zn)の元素の性質や、鉄が錆びる酸化反応、合金(真鍮、青銅)の化学的な仕組みを学ぶ。
3-3. 10円玉ピカピカ実験:レモン汁を使い、酸化した銅を還元作用できれいにする実験を行う。
4. コストの算数:小さな1セントの大きな矛盾
4-1. 矛盾を数字で捉える:1セントの硬貨を作るのに3.69セントかかるという経済的な矛盾を数字で明確にする。
4-2. 製造損失とラウンディングの計算:ペニー製造による国の総損失額と、ペニー廃止後に必要となる端数処理(ラウンディング)の計算方法を理解する。
4-3. お買い物のシミュレーション:実際に商品価格を設定し、ラウンディングルールを適用して誰がどれだけ得をするか計算する。
5. 歴史の証人:肖像画と戦争
5-1. 時代の鏡としての硬貨:硬貨の肖像画が「自由の女神」から実在の人物(リンカーン)に変わった歴史的背景を理解する。
5-2. 自由の女神からリンカーンへ:リンカーン肖像採用がアメリカの硬貨史上初の出来事であり、彼の奴隷解放という功績と関連が深い。
5-3. 自分だけの年表作り:自分の生まれた年の硬貨を探し、その年に起きた世界や日本の出来事を調べる。
6. お金の正体:信用とキャッシュレス社会
6-1. 価値の根源を探る:お金が原価以上の価値を持つ理由である「信用貨幣」の仕組みを理解する。
6-2. 法定通貨とインフレーション:法律で価値が保証される法定通貨の定義と、物価上昇(インフレーション)が小さな硬貨の役割を終焉させた経緯を知る。
6-3. キャッシュレス社会への加速:ペニー廃止がキャッシュレス化を後押しするメカニズムや、店舗、消費者の行動変化を考察する。
6-4. もしも1円玉がなくなったら:もし日本で1円玉が廃止された場合の、生活におけるメリットとデメリットを具体的に考える。
7. 言葉の旅路:海を渡ったペニー
7-1. 言葉と人の移動:「ペニー」という呼び名が正式名称ではないことや、ヨーロッパの言葉から伝わったルーツを知る。
7-2. ヨーロッパから来た言葉とデザイン:硬貨デザイナーのブレンナーがリトアニアからの移民である点に注目し、硬貨のデザインに込められた多文化共生の理念を理解する。
7-3. 外来語のルーツ探し:お金に関する外来語(ドル、サラリーマンなど)や、身近な言葉の語源を調べる。
8. 価値の天秤:合理性と感情の間で
8-1. 世界の「小銭」事情:カナダやオーストラリアなど、すでに小額硬貨を廃止した他国の事例と比較する。
8-2. 数字では測れない価値:「倹約のシンボル」や「ラッキーペニー」など、ペニーが持つ文化的な愛着や、数字には置き換えられない感情的な価値について考察する。
8-3. 捨てられないものの理由:自分にとって機能的には無価値だが捨てられないものを見つけ、それがなぜ大切なのかを自分の言葉で書く。
9. 手のひらの美術館:小さなレリーフの世界
9-1. 持ち運べる彫刻:硬貨が持つレリーフ(浮き彫り)という芸術表現の技法を理解する。
9-2. シンボルが語る国家の理想:最初のペニー(フジオ・セント)に描かれた「太陽」「日時計」や「13の鎖」が、建国当時のアメリカの勤勉さや団結の精神を象徴していることを読み解く。
9-3. フロッタージュ体験:日本の硬貨を紙に置いて鉛筆でこすり出し、デザインの細部を観察する。
10. 文学の中の硬貨:小さなお金の物語
10-1. 物語を動かす小さなお金:文学作品において、最小単位のお金が人々の生活の厳しさや愛情を際立たせる役割を理解する。
10-2. 世界と日本の「小銭」の物語:オー・ヘンリー『賢者の贈り物』、新美南吉『手袋を買いに』
10-3. 現代版『賢者の贈り物』:もし『賢者の贈り物』の主人公が現代に生きていたら、プレゼント代をどのように工面するか、想像して書く。
11. 表現活動
11-1. 問題提起:1円玉のゆくえ
11-2. ディベート:テーマ「日本は1円玉の製造を廃止すべきである」について、賛成・反対両方の立場で議論する。
11-3. 創作の広場:詩「さよならペニー」、発明品「未来の硬貨デザイン」など、テーマに沿った作品を創作する。
12. 英語で学ぶ "Penny"
12-1. Key Words:Mint, Cost, Waste, History, Decide
12-2. Reading Practice:The U.S. Mint stopped making pennies on November 12, 2025. It costs more to make a penny...
12-3. 英作文:「Penny」について英語で書く
13. まとめ
14. 発展学習
14-1. 探求テーマ例:世界の変わったお金、電子マネーの仕組み、金属のリサイクル、自分だけの通貨を作ろう
14-2. おすすめの本:貨幣の歴史、手袋を買いに、13歳からの金融入門
14-3. 家庭でできること:財布の中の小銭の発行年を見てみる、商品の端数に注目して家族と話す、キャッシュレスについて意見交換をする。
14-4. 併せて読みたい教材:「ヘレニズム時代の銀貨」「ホエイと金」「仮想通貨」
14-5. 関連キーワード:\#造幣局 \#インフレーション \#合金 \#酸化と還元 \#リンカーン \#資源 \#コスト \#法定通貨 \#キャッシュレス \#新美南吉 \#デザイン \#リサイクル \#都市鉱山 \#経済 \#価値